一般住宅では、太陽光発電を設置するにあたり、容量の1kWあたりにおける補助金を受けることができます。そのため、住宅用の太陽光発電のシステム導入はますます加速されています。
一方、マンションのような賃貸住宅は、オーナーへの補助金制度が適用されませんでしたが、平成22年度には、賃貸住宅といった共同住宅、集合住宅、寄宿舎などにも補助金を受ける制度ができました。このことがきっかけで、賃貸住宅でも太陽光発電のシステムを導入しようという動きが出始めています。
内容としては、賃貸住宅の共有部分での利用や、各住戸での太陽光発電の利用が可能になっています。また、一般の住宅と同じように居住者は、売電ができるといったメリットがあります。
従来であれば、賃貸住宅の場合には、構造上の問題、技術的な問題から、太陽光発電のシステム導入を控えていた傾向にありました。しかし、最近では、太陽光発電の新しい開発により賃貸住宅での設置が可能になりました。通常、マンションのような賃貸住宅は、平たい屋根の「陸屋根」の構造が多いのですが、この問題については、傾斜をつける架台を利用することで解決を図っています。防水や余分な初期費用がかさむものの、賃貸住宅でも設置できる技術がすでに開発されています。
太陽光発電には30度の屋根の傾斜が理想であるとされていますが、マンションのような平たい屋根でも大丈夫なように、こうした問題も各メーカーの日々の開発により次第にクリアできているのです。
これからの賃貸住宅は、エコ化、省エネ化を売りにした物件が人気を得ることから、賃貸住宅経営者も、建築段階から、太陽光発電の設置を考えている人が増えてきています。そうすることで、賃貸住宅への付加価値をつけることができると同時に、太陽光発電に対応していない物件との差別化を図ることができるからです。
賃貸住宅も太陽光発電システム設置が、新工法により簡単になってきていることから、「太陽光発電のある賃貸住宅」といったうたい文句のある集合住宅が、当たりまえの時代が来ることが容易に予想されます。同時に、賃貸住宅オーナーの意識も変化してくるものと考えられます。